現在住んでいる大学院生向けのアパート
私は現在、竹中育英会から授業料等大学納付金として年間 200 万円、生活費として年間 200 万円を支援していただいています。支給期間は 2 年間 (博士課程は 5 年間) で、返済不要の奨学金です。また、所属学科で年に一度奨学生の選考があり、少額ではありますが年間 $1100 (約 12 万円) をいただいています。
Davis は小さな田舎町ですが、物価は少々高めです。私の場合、家賃として $700 (約 8 万円)、食費などのその他生活費として約 $700、合計で $1400 (約 16 万円) を月々払っています。授業料と施設費は合計約 $13500/年 (約 153 万円)、留学生や Nonresident (カリフォルニア州以外の住民票を持つ生徒) はさらに Nonresident Supplemental Tuitionとして年間 $15000 (約 170 万円) が上乗せされます。その他にも University of California は健康保険料 (Student Health Insurance Plan = SHIP) が高く、年間 $4500 (約 50 万円) がかかります。SHIPと同程度の内容をカバーしている場合は他の保険を利用することもできますが、基本的にはSHIPへの加入が義務付けられています。私がいただいている奨学金では「授業料等大学納付金」と広く定義されており、supplemental tuitionや健康保険も支援の対象です。しかし財団によっては対象外の場合もあるため、奨学金応募の際はどこまでカバーされるのか注意が必要です。
UC Davis では、学部生は 1〜2 年次に寮に住むことが義務付けられており、3 年生からキャンパス外のアパートに住むのが一般的です。大学院生の場合、ワンルームに住む学生もいますが、家賃が月 $1200 程と高額になるため、多くの場合は 2~4 人でフラットシェアしています。私は現在 4 人でフラットシェアして家賃が月 $700ですが、家の中に洗濯機・乾燥機も備わっており、コインランドリーを使わなくて済むので助かっています。また、自分の部屋を持たずベットルームを 2 人でシェアする場合(ルームシェア)は $400 前後とさらに家賃を安く抑えられます。勉強は図書館などで済ませ、家では寝るだけと決めてしまえばルームシェアも良い選択肢だと思います。
最近大学内にできたボーリング場。1ゲーム $5
米国の PhD は授業料がかからないと一般的に言われていますが、私のいる学科では必ずしもそれは保証されていません。所属する研究室を決めるまでの始めの1年ないし数クオーター分は学科から支援があるものの、それ以降は PI の funding 次第です。そのため、研究室を決める際に PI の funding 状況は大きな決め手となります。その点、すでに奨学金等の funding を持っていると PI の負担が減るため、研究室に受け入れてもらいやすいです。もし funding がない場合、多くは研究の合間に TA をやって授業料を免除してもらったり、学内外の奨学金に応募したりしているようです。UC Davis 内でも学科によって funding 状況はかなり異なっています。出願先を決める際はその点も確認が必要です。
※為替レート:1 米ドル = 113 円で計算
新留学生リレー日記
第1回 | Oxford & UC Davis & Tübingen |
第2回 | 英米独の学位制度 |
第3回 | アメリカの大学院 |
第4回 | ドイツの大学院 |
第5回 | イギリスの大学院 |
第6回 | Q&A |
第7回 | 留学生の懐事情 |
第8回 | オックスフォード生活とお金 |
第9回 | ドイツ留学で気になるArbeitsvertragとStipend |
第10回 | アメリカ留学のお財布事情 |
リレー日記の執筆者への質問やリクエストを随時募集しています。
▼▼質問やリクエストは下のリンクから▼▼
執筆者プロフィール
江口 晃浩(えぐち あきひろ)
高
専時代にAFSを通じてオレゴン州の高校で一年間の交換留学を経験。2008年より米国アーカンソー大学に進学し、2011年春に理学士(コンピュータ・
サイエンス)、2012年に教養学士(心理学)を取得。同年、英国オックスフォード大学大学院に進学し、計算神経科学の博士号過程に在籍中。ブログ「オックスフォードな日々」http://hogsford.com
|
|
村瀬 彩華 (むらせ あやか)
カリフォルニア大学デービス校 食品科学科の修士1年生 学部卒業後に渡米
専攻は食品微生物学
|
|
川口 雄久(かわぐち かつひさ) チュービンゲン大学 マックスプランク神経行動科学大学院のD2 学部卒業後に渡独 研究内容は視覚情報処理と意思決定 |
━━━━━━━━━━━━━━━━━