2016年8月28日日曜日

EducationUSAの取り組み

今月はEducationUSAセンターの笹田様に米国留学情報をご寄稿いただきました。 学位留学の基礎情報を丁寧におさえつつ、各地で9月に開催される、留学EXPO、 留学フェアの情報をお伝えします。


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*EducationUSAアドバイジングセンターとは?
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皆さんは、EducationUSAのサービスをご存知でしょうか?

EducationUSA とは、米国国務省・教育文化局(ECA)の支援を受けたネットワークです。EducationUSAセンターは、世界に400以上あり、各センターでは、中立的な立場から、留学に関する正確で最新かつ公正な情報を無料で提供しています。

日本においては、全国6箇所(札幌、東京、名古屋、大阪、福岡、沖縄)で主に各地のアメリカンセンターがその任を担っています。2016年4月1日(金)より、東京の2ヵ所(日米教育委員会、アメリカンセンターJapan)で運営していEducationUSAセンターがアメリカンセンターJapanに統合されました。
http://www.fulbright.jp/img/20160229announce.pdf

日米教育委員会で行われてきた、資料室での閲覧や留学相談業務は、アメリカンセンターJapanに移行しましたが、日米教育委員会のウエブサイト上の留学情報は、引き続き運営されています。

EducationUSAセンターでは、ご自分の力で留学を志す方々を対象に、情報提供を行っています。たとえば、留学先となる学校の探し方、入学条件や手続き方法、学校の認定制度や入学適性試験、奨学金、学生ビザなどの情報のほか、よくある質問についての回答などをご用意しています。また、アメリカ留学Expoをはじめ、留学に役立つ様々なセミナーを開催しています。留学をお考えの皆さん、このような公的機関が提供するサービスを是非積極的にご活用ください。

*アメリカンセンターJapan (東京)
  https://americancenterjapan.com/
*日米教育委員会 EducationUSA
  http://www.fulbright.jp/study/index.html

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*アメリカの教育制度
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アメリカ留学の魅力を一言で表すなら、「柔軟で多様性に富んだダイナミックな環境で、世界からの留学生と肩を並べて、豊富な選択肢からハイレベルな教育が受けられる」ということでしょう。

アメリカには約3,000の認定を受けた大学が存在するといわれ、それぞれが独自の入学基準を設けています。日本と異なり文科省のような中央政府機関が法的に認可しているわけではないので、認定制度などアメリカ独自の制度について日本との違いを把握しておきましょう。

*EducationUSA "Understanding U.S. Accreditation"
  https://educationusa.state.gov/understanding-us-accreditation
*日米教育委員会 「アメリカ大学・大学院留学の基礎知識 A. 日本との制度の違い 3.文部科学省の不在・認定制度」
  http://www.fulbright.jp/study/abc/index.html#abc_a_03

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*世界各国からの留学生が切磋琢磨する
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アメリカ留学で得た一番の経験は何かという問いに、「勉強だけでなく、世界各国からの留学生と知り合い、友人となれたことが一生の財産」という答えが多く返ってきます。留学生大国と呼ばれるアメリカでは、世界約220カ国から97.5万人近くの留学生が大学・大学院で学んでいます(2014-15)。留学生の約64%がアジアからの留学生で、留学生出身国別順位で、日本は第8位(19,064人/2014-15)となっています。詳しくは、以下のサイトをご参照ください。

*IIE Open Doors
  http://www.iie.org/Research-and-Publications/Open-Doors/Data/International-Students/Leading-Places-of-Origin#.V4X7W7mCipo
*日米教育委員会 「アメリカにおける留学生の統計」
  http://www.fulbright.jp/study/directory/basic.html

残念なことに、最近日本からアメリカ留学する人数は減少の一途をたどっています。その背景には、少子化や日本経済の停滞(学費捻出の困難さ)、アメリカの大学学費の高騰、日本人学生の英語能力の不足、など複数の要因が複雑にからみ合っていることが推測されます。しかし、アメリカ留学そのものの価値は普遍的であり、"人生の一時期に、母国を離れリベラルな環境で世界各国の留学生と切磋琢磨しながら学ぶこと"が、得がたい経験と成長を個人にもたらすことは疑いありません。加えて、国際的なキャリア開発や研究成果も手中に出来る可能性は高いでしょう。

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*理系大学院留学について
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カガクシャ・ネットの読者の皆様は、理系大学院留学を希望しておられることと思います。

2014年度、アメリカでは54,070の博士号が授与されました。留学生(学生ビザ 保持者)は15,742名、そのうちの日本人は172名でアメリカを除いた国のうち第12位となっています。

博士号取得分野は、理工系分野(生命科学23.1%、物理科学18.2%、工学17.7%)に多くなっています。博士課程で専攻する分野が、学部課程の専攻と同じ学生は、約半数で、分野別には工学・物理科学系に多く、逆に教育学では、専攻を変えて博士号を取得する学生のほうが多くなっています。また博士号を取得する学生の約7割は修士号を取得していますが、生命・ 物理科学分野の学生は、他分野と比較すると修士号を取得していない割合が多くなっています。

(出典:Doctorate Recipients from United States Universities : 2014, National Opinion Research Center)

博士号取得までに要した時間は、平均で大学院課程に入学後7.3年間、大学学部課程修了後では8.8年間となっています。分野別には、教育・人文・社会科学系の分野での学位取得に要する時間のほうが、工学・自然科学系の分野より長くかかる傾向が見られます。また、博士号候補生(Ph.D. Candidate または ABD[ All But Dissertation])となった学生のうち、実際、博士号取得に至ることができた学生はその約半数ぐらいではないか、といわれています。

*日米教育委員会 「アメリカ大学・大学院留学の基礎知識 C.大学院課程 3.博士課程」
  http://www.fulbright.jp/study/abc/index.html

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*留学準備に必要な5 steps
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アメリカ留学の準備には、約1年~1年半かかるといわれています。留学手続きに関する必要な基本事項・ステップを把握して、早めに準備しましょう。以下の5ステップを参考にして、留学手続きの参考にしてください。

Step 1. 選択肢をリサーチ
Step 2. 留学資金
Step 3. 出願手続き
Step 4. 学生ビザを申請
Step 5. 渡米前準備

アメリカには、3,000を越す大学が全米に渡って存在しますので、まず自分の「優先事項」を明確にすることが重要です。

大学選択でのミスマッチを避けるためには、自分の優先事項を明確にした上で、各大学院プログラムのカリキュラムを丁寧に読み込み、自分のニーズにマッチしているか、また学科の研究方針や師事したい研究者を特定することが重要でしょう。

特に博士課程へ進学を希望する方は、どの教授がどこでどのような研究を行っているか等をリサーチする必要があるでしょう。その場合、(現在の)指導教授にアメリカでの専門家をご教示いただく、専門分野学会の論文ジャーナルを読み込み専門家を特定する、などの方法が考えられます。

一般的に博士号候補生となる学生は、自らが研究テーマを選択し、研究計画を立て、実際研究を行えるだけの能力や知識があることが期待されます。指導教授(academic adviser)は、学生が行う研究に対して、意見を述べたり、研究が誤った方向に進んでいる場合に示唆を与えたりすることで指導しますが、あくまでも研究を行う
学生の主体性が重んじられます。

Step 2の留学資金では、奨学金を含めた留学資金計画が重要なポイントになります。各種奨学金は、一般的に締め切りが早いことが多いので、早めの準備・リサーチをこころがけてください。

*日米教育委員会 「よくある質問-奨学金」
  http://www.fulbright.jp/study/res/faq20.html

※フルブライト奨学金は、人文・社会科学の分野が対象で、残念ながら理系分野は対象外(*Public HealthとEnvironmental Studiesは例外)となります。
*フルブライト奨学金 http://www.fulbright.jp/scholarship/index.html
 
留学準備については、以下に紹介するEducationUSAのウェブサイトをご参照ください。
*EducationUSA"Your 5 Steps to U.S. Study"
  https://educationusa.state.gov//your-5-steps-us-study

*日米教育委員会 「留学準備スケジュール」
  http://www.fulbright.jp/study/schedule/index.html

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*2016年EducationUSA関連イベント-「アメリカ留学EXPO」(東京)等
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インターネットが発達する現代社会ですが、ネット上の情報だけでは不安に思う方もいらっしゃるでしょう。東京では、9月10日(土)にアメリカ大使館主催「アメリカ留学EXPO」が開催されます。年に一度開催されるこのイベントでは、アメリカの大学60校が参加し、担当者と直接話せるブースが設けられ、留学経験者と話せる機会も提供されています。また留学に関するセミナーも同時並行で開催され、貴重な情報収集の場となっています。EXPOには、EducationUSAおよび日米教育委員会(フルブライト・ジャパン)もブース出展いたします。ぜひ多くの方にこの機会をご利用いただければ幸いです。

*東京:「アメリカ留学EXPO」

 http://americaexpo.jp/
 日時:2016年9月10日()12:00 - 18:00
 入場無料・入退場自由
 会場:御茶ノ水ソラシティ カンファレンスセンター

また、留学フェアは以下4都市でも開催されますので、併せてご利用ください。

*名古屋:「アメリカ大学フェア2016」
 http://japanese.nagoya.usconsulate.gov/education-usa.html
 日時:2016年9月11()13:00 - 16:00
 会場:名古屋国際センター別棟ホール

*大阪:「アメリカ留学の魅力とその方法」アメリカの大学留学についてのプレゼンテーションとカレッジフェア
 https://www.facebook.com/irckansai/
 https://www.facebook.com/events/900193756756333/
 日時:2016年9月11()13:00 - 16:00
 会場:大阪市立中央図書館 中会議室&イベントスペース

*福岡:「アメリカへ行こう」留学体験談ひろば&カレッジフェア
 http://japanese.fukuoka.usconsulate.gov/fj20160917.html
 日時:2016年9月17日()14:00 - 17:00
 会場:こくさいひろば(アクロス福岡3F)

*沖縄:「アメリカ留学フェア in 沖縄 in 2016」
 http://japanese.naha.usconsulate.gov/
 日時:2016年9月19日(月)13:00 - 17:00
 会場:浦添市てだこホール・市民交流室

EducationUSAアドバイジングサービスは全国6箇所で運営されておりますので、留学を希望される方はご活用ください(各センターのサービス内容は個別のセンターでご確認ください)。

なお、東京のアメリカンセンターJapanでは、定期的にアメリカ留学説明会等のセミナーが開催されています。説明会では、留学経験者のお話を伺える回もあり、実際にface to faceでEducationUSAアドバイザーに質問できる機会もございます。

皆様のアメリカ留学への夢が大きく実現へと近づくことを、お祈りしております。

(出典:日米教育委員会 ウエブサイトより)
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EducationUSA
http://www.fulbright.jp/study/index.html
http://americancenterjapan.com/study/

電話:03-5545-7435 (月・水・金 13:00~17:00)
資料室開館時間: 月-金 13:00-17:00
休館日:土日、日米の祝祭日
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著者略歴

 笹田千鶴(ささだちづる)

 EducationUSA/日米教育委員会(フルブライト・ジャパン)
 シニアEducationUSAアドバイザー

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カガクシャ・ネットワーク http://kagakusha.net/
(上記サイトでバックナンバー閲覧可)
発行責任者: 武田 祐史
編集責任者: 日置 壮一郎
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