2014年1月26日日曜日

アメリカ就職への道(5) インタビューからインタビュー後まで

Jan 2014, Vol. 66, No. 2

- What's new-----

オックスフォード大学ナフィールド医学部にて、インターンシップ・プログラムへの申請の募集が行われています。詳しくは、下記サイトをご覧ください。

- From editors-----

アメリカ就職記事:第五回となります。


今回はインタビューからインタビュー後までをお送りいたします。インタビューには十分な準備が必要となりますが、今回の記事ではインタビューでどうすべきか書かれています。
どうぞお楽しみください。

-インタビューで尋ねる質問

私たちはインタビューで尋ねられる質問ばかりに気を取られがちですが、インタビューは会社側からの質問だけの一方通行ではありません。
前述の通り、インタビューはお見合いみたいなものであり、あなたも将来、雇い主となるかもしれない会社をインタビューしているのです。
そして面接官もあなたがどのような質問をするかを注意深く見ています。
ジョブインタビューの時、面接をしている人から必ずと言っていいほど尋ねられる質問として、

Do you have any questions for me?

があります。質問に答えることばかりに注意を払っていると、この質問を受けて、頭の中が真っ白になることがあります。
この質問に対する最悪の答えは容易に想像できると思いますが、“No”です。
 実は、昨日、私の部署にアプライ中のCandidateに専門的なPhone Interviewをしました。インタビューそのものは比較的スムーズでかなりテクニカルな話も問題は無かったのですが、最後に私がこのKey questionを尋ねると、“No”という答えが返ってきました。
まさにWorst answerです。そのCandidateがそのように答えた理由は先日、HRの人が十分な情報をくれたからとのことでした。しかし、HRからの情報は事務的なことが中心であり、実際の仕事の内容や技術的なことに関してはとても表面的なことのみです。このCandidateは将来上司となる私から仕事内容についてもっと詳しく知るチャンスを逃してしまったのです。
この質問は実はあなたにとっては会社やチーム、そしてポジションについてもっと知るための大きなチャンスであり、自分が仕事や同僚、仕事環境に非常に興味を持っていることを示す機会なのです。前のセクションで会社側がインタビューで答えを探していることをいくつか挙げましたが、仕事を探しているあなたにも同様のことが言えます。
あなたも面接を通じ、そして質問をすることを通じて、以下のことを考えてみると良いでしょう。

●       Am I still interested? 本当のこの会社のそのポジションに着きたいか。
●       Can I do the job? あなたはその仕事を遂行できる能力・知識があるか。
●       Will I love the job これは本当に好きな仕事か。
●       Can I fit in? 会社・マネージャーのスタイルやチームは働きやすい環境か。

実際、面接官に尋ねたい質問は山のようにあるはずです。一人の人に質問を10個するのは難しいでしょうから、2-3の質問を複数の人に尋ねればよいわけです。質問としては、例えば、その会社が自分にとって理想的な会社なのか、働きやすい職場なのか、仕事内容は興味深いのか、ポジションの将来のキャリアパスはどうか、など、重要な情報にフォーカスしましょう。夢の会社だと思っていたのに、実際は、労働条件が悪く、将来性も無く、仕事の内容も面白くないこともあり得るかもしれません。部署の雰囲気が良くない、あるいは自分に合わないものであれば、仕事を楽しむことは難しいと言えます。また、その部署では人の入れ替わりが激しい(High Turnover)としたらどうでしょうか。またジョブ・アプリケーションの次のステップ何かなども気になるところでしょう。
面接のやり取りの中で、面接をする人から得られる情報を注意深く聞きましょう。会話の中から会社や部署の雰囲気、スタイルや仕事の内容なども見え隠れするはずですので、その面接者に対する質問を考えましょう。もしうまくその人に対する質問が思い浮かばない場合のために、バックアップの質問を準備していくと良いでしょう。

ジョブインタビューで尋ねる質問について、いくつか例を挙げてみます。

●       Who would make an ideal candidate for the position?
●       What are the position’s biggest challenges?
●       Why is this position vacant?
●       Could you describe a typical day in this position?
●       How will the work I’ll be doing contribute to the organization’s mission?
●       If I am extended a job offer, how soon you would expect me to start?
●       What is the company’s management style?
●       How would you describe the culture and spirit in the company?
●       How is success measured in this company/organization?
●       What is the best thing about this job/this group?

もちろん、もっと技術的なことについて尋ねるもの良いでしょう。
また、避けたほうが良い質問についていくつか、アドバイスしたいと思います。

●       Yes・Noで答えられる質問は避ける。
●       個人の情報について質問するのは避ける。例えば、何歳か、子供はいるか、宗教は何か、など。もちろん、相手から話してきた場合は問題なし。
●       ボス・同僚の人柄などについての質問は避ける。
●       給料はいくらか?などのお金の質問はJob offerをもらうまでは自分から尋ねない。もちろん、相手側から給料のことについて尋ねられた場合は、Salary Rangeがどれくらいか尋ねることは悪いことではない。

-インタビューで気をつけること

インタビューで会社を訪問する場合、当然ながら、誰かと座って面接をしている時だけが、インタビューのプロセスではありません。その会社に足を踏み入れた瞬間からすべてが見られていると考えてよいでしょう。
例えば、HRの人が受付の人に、面接に来た候補者たちへの印象を尋ねていました。担当マネージャーが出てきた時にはさわやかに挨拶をしても、面接の人にはろくに挨拶もしないような人は、当然、パーソナリティを疑われてしまうでしょう。
マネジャーとのランチやディナーでのマナーは当然、見られれていますが、完璧なテーブルマナーを要求されているわけではないので、それほど心配は要らないかもしれませんが、何を注文するかは多少、気をつけた方が良いでしょう。例えば、メニューで一番高いものをいくつも注文するのは、先方の注意を引いてしまうかも知れません。
もちろん、勧められた場合は別ですが。
またランチやディナー中の会話は、候補者の仕事以外の面やパーソナリティを見る上でとても重要と考えられています。
ランチ・ディナーでは面接とは会話の内容も多少、異なってきます。
普段から、自分の研究以外の情報、特にあなたの街、大学のこと、大学スポーツチームのこと、最近ニュースで話題になった出来事、また日本の最近のことなどにも目を向けると良いでしょう。また、また、インタビューが行なわれる街・地域の気候、有名な観光地やレストラン、プロスポーツチームの最近の様子や、最近、ニュースで話題になった出来事などを把握しておけば、少しカジュアルな雰囲気の中での会話で役に立ちます。
また何事においてもネガティブなことを言わないのは重要でしょう。
また、知らないことが話題に挙がっても、あなたのアプローチ次第で印象は全く異なってくると言えます。

-インタビューの後

オンサイトのインタビューを無事に終え、ほっと一息つきたいところかもしれませんが、面接してくれた人たちに出来るだけ早く(出来れば24時間以内)お礼の手紙 (Thank-you Note)をemailにて送ることをお勧めします。自分の写真つきの手書きのお礼を送ることを勧める人もいますが、個人的にはちょっとやり過ぎのような気がします。
Thank-you Noteの内容は長い必要はありません。面接の機会に感謝すると同時に、自分がチームに貢献できることを再度アピールし、連絡を楽しみに待っている、と締めくくると良いでしょう。

短いですが例文

Dear……

It was a great pleasure to meet with you yesterday. I really appreciate you taking the time from your busy schedule to meet with me. It would be very exciting to work with you and I feel strongly that I would bring value to your group/company with my …………. (diverse background, skills and knowledge on…….)  Looking forward to hearing from you.

Sincerely,

(Your name)

さて、Thank-you noteを送った後は、会社から連絡が来るのを待つのみですが、すぐに連絡が来る場合もあれば、随分と時間がかかる場合もあります。
もしあなたが第一候補(First choice)であれば、1週間以内、遅くても2週間以内に連絡があるはずです。 もし、候補者(Candidate)が他にいてその人たちの面接がまだ終わってない場合は、他の候補者の面接が終わってから最終決定が下されるので、少し時間がかかるでしょう。
もしあなたが第一候補で無い場合、連絡が来るまでとても時間がかかる場合があります。その理由として、会社が他の候補者に仕事のオファーをし、その候補者が会社と採用条件についてネゴ(Negotiation)をしている場合があります。このような状況ではあなたが、第二候補(Second choice)である可能性が高いです。第一候補とのネゴが上手くいかなかった場合は、第二候補であるあなたにオファーが回って来るかもしれません。
私も面接をしてから2ヶ月間、全く連絡が無いことがありました。
メールにてフォローアップ(Follow up)をすると、まさに上記のような返答をもらいました。その後、一ヶ月かかり、結局、オファーはもらえませんでしたが…。
面接後、長く連絡をもらえない場合、丁寧な文章で、進捗状況をメールでフォローアップすると良いでしょう。


━━━━━━━━━━━━━━━━━
カガクシャ・ネットワーク http://kagakusha.net/
発行責任者: 石井 洋平
編集責任者: 石井 洋平
━━━━━━━━━━━━━━━━━



にほんブログ村 海外生活ブログ 研究留学へ にほんブログ村 海外生活ブログ 海外留学(アメリカ・カナダ)へ にほんブログ村 海外生活ブログ 海外留学(ヨーロッパ)へ

2014年1月25日土曜日

アメリカ研究サバイバル(後)カバーレター作成と面接時に見るべき点


※今回は過去のメルマガから人気の記事(2009年4月 Vol.45 No.1, Part 2)をピックアップして配信しています。

前回に引き続き、杉井さんが、「Ph.D. 取得後のキャリアを成功させるには」を紹介してくれます。前回は、博士号取得後にポストドクターの道を選ぶ場合の準備編として、ポスドク先の選び方、希望ラボの情報収集の仕方、そして連絡の取り方に関して話してくれました。

アメリカ研究サバイバル(前)良いポスドク先を見つける方法

今回は、その続きの実践編です。実際に応募する際に必要となるカバーレターの書き方、面接に呼ばれた際にチェックすべき点、面接後にもしっかりコンタクトを取ること、そしてまとめです。では、お楽しみ下さい!

Ph.D. 取得後のキャリアを成功させるには~様々なケースから学ぶこと

アカデミアで研究を続ける場合:カバーレター作成と面接時に見るべき点

●カバーレターの書き方

希望ラボがいくつか決まったら、アプライの手紙を書きます。このときのカバーレター作成は、非常に重要です。重要ポイントは、


  1. なぜその研究室に興味を持ったか
  2. 自分の簡単な研究歴
  3. その経験と知識がどうして志望ラボに貢献できるのか


です。これを簡潔かつ網羅的に、1ページにまとめます。その研究室のことをどれだけ知っていて、そこに行きたいか、情熱を示しましょう。ほとんど「コピー&ペースト」しただけのカバーレターを、やみくもに何十カ所(人によっては百以上)も送りつける人たちがいますが、採用側もすぐ見抜きますので、時間の無駄です。この「逆」の方法を行うべきなのです。

場合によっては、1ページしかないカバーレターに加えて、希望する研究室でやりたい研究の志望動機・内容について1-2ページ書くと、さらに真剣に考慮してもらえる可能性が増します。ただ、志望ラボの方向性と違ったことを書くと、逆効果にもなりがちなので、そのラボのことについてよく分かっていて、相応の時間をかけられる場合のみ、考慮してください。

私のカバーレターの例では、必須ではありませんが、「過去に会ったことがある」という売りを書いてあります。他にも「今のボスや知人の知り合いである」とか、「誰々に薦められた」など、何らかのつながりがあれば、必ず書くことをお勧めします。その「知人」や、会ったときの「あなた」に悪い印象を持っていない限り、有利に働くことでしょう。

また、もう一つの文例にある通り、「雇ってもらえたら自分から進んでフェローシップ(奨学金)を取る旨」をカバーレターに書くのも、好意的に見るボスは多いと思います。ポスドクのフェローシップで代表的なのは、日本からの留学の場合、例えば「海外学振」や「上原財団」などです。

この時世、研究資金のやりくりに苦労しているラボ主宰者が多いので、もっともお金のかかる人件費を、自分からまかなう姿勢を打ち出すと歓迎されることでしょう。ただしこの場合、どのようなフェローシップに応募できるのか、しっかりと自分で調べておく必要はありますし、足下を見られて「フェローシップが取れたら」という条件付きで雇用が決まらないように、注意する必要もあります。

●インタビュー時にチェックすべき点

運良く良い返事が来たら、次にインタビューとなります。電話や学会場でインタビューということもありますが、何としてもラボを直接訪問してください。メンバーの人たちと直に話ができる、絶好の機会です。アメリカ国内だったら旅費が出るのが一般的です。

日本にいる人でも、学会のついでなど、何とか理由を作って、訪問する機会を作ってください。数年を過ごす場所ですし、将来にも関わってきますから、長い目で見ればそれだけのことをする価値はあります。

ポスドクの面接では、自分の研究成果発表のセミナー、ラボメンバーとの個別面談、ランチやディナー、そしてボスとの面接、というのが一般的なメニューです。

良い印象を与えるためには、万全の準備をして、良いセミナーをするのは当然のことですが、ポスドクインタビューの場合、実はかなり重要なのが、メンバーとの個別面談(ランチやディナーを含む)です。

研究の話も重要ですが、それ以上に、ボスがどのようにラボを運営しているか、ボスの人間性、メンバーの進路、ラボの雰囲気、メンバーが生活・研究環境に満足しているかどうか、このような事柄を伺い知ることのできる世間話をした方が、より後々の参考になることでしょう。また、希望先のラボメンバーで、気が合いそうな人が見つかったら、Eメールなどの連絡先を聞いておくと良いでしょう。

そして、気に入ったラボのボスには、自分がどれだけ興味を持ったかできるだけアピールして、インタビュー当日を終えます。

●面接後にはお礼を

しかし、面接はこれで終わったわけではありません。

家に帰ったあと、面接に呼んでもらったお礼と、再度そこのラボにどれだけ行きたいかをアピールするべく、「サンキューレター」を書いてEメールで送りましょう。人気ラボの主宰者には、「面接では人柄がとても気に入ったんだけど、そのあとのフォローアップレターがなくて、がっかりした」と言う人が結構います。志願者が殺到しているラボでは、わざわざそういう人を選ぶ必要はありませんから、取りこぼしのないようにしてください。

●まとめ

さて、2回にわたって書いてきましたが、もし「ポスドクの就職活動を成功させる秘訣」を一言で表現してください、と聞かれたら、私は「相手の立場に立って考えること」と答えます。これは、ポスドクに限らず、他の就職活動にも言えるかもしれません。

博士号を取ったばかりで、研究室の主宰者の考えなんてわからない、という人も多いでしょうが、たとえば今所属しているラボでも、つねに自分のボスの立場や考えを学んだり、研究室を運営している人の身になって考えるくせをつけていれば、自然とボスの考えていることがわかってくると思います。そうしたら、自分にどんなことを求められているのか、向こうのニーズに的確に応えることができるようになり、スムーズに就職活動を進めていくことができるようになるでしょう。

最後に、主宰者の立場を理解するのに最適な良書を紹介します。

- アット・ザ・ヘルム - 自分のラボをもつ日のために

- Lab Management: Making the Right Moves
(Howard Hughes Medical Institute / Burroughs Wellcome Fund 刊、英語)


自己紹介

杉井 重紀
1996年京都大学農芸化学科卒業。卒業後、UCバークレーで聴講生(浪人生活?)を経て、ダートマス大学分子細胞生物学プログラム博士課程に在籍。2003年に博士号取得後、カリフォルニア州サンディエゴ近郊にあるソーク研究所に ポスドク研究員として勤務中。 2000年より、カガクシャネット代表をつとめる。

編集後記

先日、同じ研究室の友人が博士論文発表・提出を終えました。彼は企業就職希望ですが、やはりこの経済不況で、なかなか仕事探しに苦労しています。そんなとき、ツテを辿ってある企業に採用に関して問い合わせたところ、その企業で働いている彼の知人3人が、「彼のことを採用すべきだ!」と揃って人事部に掛け合ったそうで、雇用は凍結中にも関わらず、彼のためのポジションを新設するために動いているそうです。やはり人との繋がりは大事だな、と改めて感じました。(山本)


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
カガクシャ・ネットワーク http://kagakusha.net/
発行者: 山本智徳
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

にほんブログ村 海外生活ブログ 研究留学へ にほんブログ村 海外生活ブログ 海外留学(アメリカ・カナダ)へ にほんブログ村 海外生活ブログ 海外留学(ヨーロッパ)へ

2014年1月19日日曜日

アメリカ就職への道(4) インタビューについて


Jan. 2014, Vol. 66, No. 1

- From editors --

皆様明けましておめでとうございます。
今年始めの記事は、

からの続き、アメリカ就職活動記事の第四回、インタビューについてとなっております。お楽しみください。

インタビューについて

-On-site Interview

専門家のスクリーニング、Phone interviewを乗り越えるといよいよ現地でのインタビューです。On-site interviewに呼ばれる候補者の数は、数人と考えてよいでしょう。
最近の経験からの例ですが、80件あった当初のアプリケーションがHRおよび専門家のスクリーニングを経て絞られ、約10人の人がマネージャーによるPhone Interviewを受け、そのうちの3人がOn-site interviewにたどり着きました。これは一例ですので、もっと多くの人がインタビューまでたどり着く場合もあるでしょう。

-Fast Track

アプライしようとしている会社に強いコネクションがある場合、例えば、会社の方からアプローチして来た場合、Screeningを飛び越えて、いきなりOn-site Interviewへジャンプすることがあります。

-インタビューまでのプロセス

On-siteのインタビューは会社によって異なりますが、普通は1日、長くても1日半程度でしょう。インタビューの日程が決まると、担当の秘書あるいはトラベルエージェントから連絡があり、飛行機、ホテル、必要ならばレンタカーなどの手配をしてくれます。
食事代もPer Diem(会社によってレートが異なる)として支給してくれる場合もありますので、それは人事の人に尋ねましょう。
インタビューの前日に現地入するか、比較的近くに住んでいる場合は、面接当日に朝早く、現地入りすることもあります。
当日は 朝から夕方までインタビューをします。インタビューの長さは会社やポジションによって異なります。
面接が終わると、そのまま、帰されることもありますし、マネージャーに夕食に誘われることもあるでしょう。Case by caseなので、友人に会う予定などは、スケジュールがはっきりするまでは入れないようにしましょう。
*トラベルの必要経費 (travel expense) の大部分、例えば、ホテル代などや当然ながら会社側が払ってくれる場合が多いので、必ずレシートを取っておきましょう。自費を要求する会社もありますが、これは会社が将来の社員をどのように扱うかの指針となります。
会社と契約しているホテルに泊まる場合はDirect billになっている場合もありまし、自分のクレジットカードで支払いをし、後から返金してもらう場合もあります。ただし、多少の出費は覚悟しなくてはいけないでしょう。
全ての会社で要求されるわけではありませんが、30分~1時間ほどのプレゼンテーションをする機会があるかもしれません。
プレゼンテーションは自分の技術や知識を紹介する大きなチャンスですので、十分な準備が必要です。プレゼンテーションで合否が決まるとは言いませんが、印象が大きく変わるのは確かです。
最近、私も会社にアプライしてきた候補の人たちのプレゼンテーションを2-3聞きましたが、30分お願いしたのに10分-15分で終わってしまう尻切れトンボな内容でガッカリしました。
ところで、プレゼンテーションもレジュメと同じで、まずは基本形のプレゼンテーションを準備し、会社やポジションのDescriptionやRequirementsに応じてTweakingをしましょう。

-インタビュー

インタビューにおける会社側の究極の目的は、“Why should we hire you?
 なぜあなたを雇うべきか”を見極めることです。もちろん、同じ質問を電話で聞くことも出来ますが、直接会って話してみないと
分からないことを会社側は出来る限り見ようとしています。
On-site Interviewのスタイルは会社により様々ですので、一概には言えませんが、例えば、次の4つに分けてみました。

  1.  部署のスタッフ(技術者)や関連部署のスタッフによる面接:多くの人と30分ほどの短いインタビューをする。複数の人による面接もあり。
  2. 経営陣による面接:これはあるところと無いところがありますが、ディレクターやVP(Vice President)レベルの人とのインタビューがある。
  3. HR(人事)の人によるインタビュー:これは必ずあると言ってよいでしょう。HRの人は会社のポリシーやベネフィット(福利厚生つまり健康・デンタル保険、有給休暇、401Kなど)について説明をしてくれます。
  4. プレゼンテーション:ある場合とそうでない場合がありますが、30分~1時間程度のプレゼンテーションを行う。

面接をする人はレジュメのコピーがEmailで回ってきているはずですが、念のためにレジュメのハードコピーを持っていくことをお勧めします( 事前に面接する人たちの人数が分かれば、人数分のコピーを持ってゆきましょう)。

-インタビューとは

様々な質問がありますが、究極のゴールは前述どおり、“Why should we hire you?”です。アメリカではポジションごとに人を雇うので、技術系には“一般職”というのはありません。ポジションごとに既に配属される部署、ボス、同僚も決まっていて、人材に要求されるスキルは明確です。
インタビューとはいわばお見合いのようなものです。会社側は例えば、以下のような点について志願者を見極めようとします。

  • Why us?仕事・会社に興味を持っている理由。
  • Why you? なぜあなたでなければならないのか。
  • Can you do the job? 仕事を見事に遂行できる知識・能力があるか。
  • Will you love the job? その仕事を好きになってくれるか。
  • Can you fit in? チーム・会社の一員として上手くやっていけるか。

会社とポジションの両方に大して明確でポジティブな動機がある人材は入社後により成長し、貢献をしてくれる可能性が高いと言えます。就職した人が、半年、一年程度でやめてしまうことは実はよくあることです。会社としてはこのようなことは避けたいところです。
Why you?   は残りの3つすべてにかかってきますが、あなたを雇うことで会社側にどのようなメリットがあるのか?はあなたが仕事を得る上で鍵となります。ポジションに必要とされる技術・知識を持っていることは当然ですが、スタートアップのベンチャー企業は別として、ある程度の規模の企業の場合、チームで仕事をすることがほとんどですから、候補者の性格は重要なファクターとなります。
他のメンバーとの相性も重要です。あなたでなければならない理由を面接者は知ろうとします。
インタビューをする人は、まず、ポジションDescription/Requirementsとレジュメの両方に目を通した上で質問をしてくると考えてください。
場合によっては、レジュメとJob postingのコピーを見ながら質問してくる人もいます。そうすることであなたと彼らの探している人物とのマッチングを見ようとしているのです。
ここでいうマッチングはスキル・知識に加えてパーソナリティも入ります。インタビュー成功するには十分な準備をすることが最も重要となってきます。インタビューで聞かれる質問について十分に検索し、自分なりの回答が自然に出来るように練習しましょう。


━━━━━━━━━━━━━━━━━
カガクシャ・ネットワーク http://kagakusha.net/
発行責任者: 石井 洋平
編集責任者: 石井 洋平
━━━━━━━━━━━━━━━━━

にほんブログ村 海外生活ブログ 研究留学へ にほんブログ村 海外生活ブログ 海外留学(アメリカ・カナダ)へ にほんブログ村 海外生活ブログ 海外留学(ヨーロッパ)へ

2014年1月18日土曜日

アメリカ就職への道(3) 企業研究から電話面接

Dec 2013, Vol. 65, No. 2

- From editors --

アメリカ就職活動記事の第三回になります。
前回は仕事の見つけ方までをご紹介いたしましたが、今回は企業研究から、phone interview のプロセスまでをご紹介いたします。お楽しみください。

-企業研究

企業研究が重要なことは言うまでもありません。多くの時間を割く必要はないかと思いますが、会社の主な事業、基本的な企業情報は知っておくと役に立ちます。会社の多くはホームページを持っており、ホームページには“Careers”という項目があります。
例えば、アメリカの代表的な大企業であるGEのホームページを例に取ってみると、www.ge.com ただ単に仕事を検索する“Search Job”メニュー以外に、なぜGEで働くか(“Why GE?”)、GEでの生活(“Life at GE”)などのメニューがあり、GEという会社の組織、文化、について学ぶことが出来ます。
また、Pfizerのホームページを見てみると、www.pfizer.comCareersの項目は小さな字で書いてあって見つけにくいのですが、いったん見つけると、http://pfizercareers.com/
というキャリアに関する非常に充実したリンクへと飛ぶことが出来ます。
このpfizerのページでは会社の文化や、会社内の仕事のファンクション、福利厚生までざっと説明してあり、会社について学ぶのに役に立ちます。また、Job Search Engineで仕事を検索すると、Job postingのページに少々ですが、会社の説明文が書いてあります。このようなページは企業の概要を学ぶのに非常に有用です。

プロセスを理解する

会社によりJob postingからインタビュー、オファー、採用までのプロセスが多少異なるかもしれませんが、今の会社およびこれまでインタビューをした経験から一般的なプロセスについて説明してみたいと思います。

-Internal Postingとは

Internal posting (内部掲示)とはJob Postingが実際にインターネット、新聞、学会のウェブサイトなどに掲載される前の社内での公募になります。社内に適正人物がいた場合は、そのポジションは埋まってしまいます。また、Internal Postingが社内の人から社員の知っている人(リフェロー)まで含む場合もあります。
Internal postingでポジションが埋まらなかった場合、External posting (公募)としてJob postingが会社の外の媒体に出てゆきます。External Postingが始まってももちろん、その会社の社員が知人をリフェローすることは可能です。
会社によってはリフェローした人物が本採用までたどり着いた場合は、その社員にReferral Stipendの支給します。額は会社によって異なりますが、例えば、一人につき1500ドル、2000ドルなどだったりしますので、会社内部の人が知り合いを紹介する“Incentive”はゼロではないと言えます。

-External posting (公募) からスクリーニング

External Postingが始まると、アプリケーションが会社の方に届き始めますが、まずはHR (人事) の方でキーワードや募集要件を元にレジュメのスクリーニングを行います。この段階で、要件を満たしていないアプリケーションは残念ながら、篩で落とされてしまいます。レジュメのスクリーニングの段階でHRの担当者が出願者に電話をし、Phone Screeningを行う場合もあります。これは出願者がポジションに対して適性なバックグラウンドを持ち、もっと専門的なスクリーニングを受けるに足る人物かを判断するためです。
Phone Screeningでは会社に興味を持っている理由、これまでの経験、技術、Achievement、教育について聞かれるでしょうし、それらが出願中のポジションにどのようにつながるかを問われるでしょう。またあなたがどの程度そのポジションに興味を持っているかをHRは探ろうとしています。また、他州のポジションであれば、引越し(relocation) は可能か、という質問もあるでしょうし、現在、仕事をしている場合は給料はいくらもらっているか、給料に対する要望はあるか、なども聞かれます。また、外国人である私たちには常について廻る質問ですが、米国で合法的に働けるか、という質問を受けることもあるでしょう。OPTをすでに取得、あるいは申請中であれば、そのことを説明することが出来ます(OPTの項を参照)。

-研究者・技術者によるスクリーニングおよびPhone Interview

HRによるスクリーニングを生き残ったレジュメは実際に人を雇う部署のマネージャーやメンバーによるスクリーニングを受けます。もちろん、最初の段階でのアプリケーションの数・出願者の質にもよりますが、アプリケーションの数は当初の半分以下になっていることもあります。
部署のマネージャーやメンバーはより専門的な目でHRから回ってきたレジュメをチェックして、さらに候補者を絞ります。
部署のマネージャーやメンバーによるスクリーニングを生き残ると次の段階としてPhone Interviewがあります。Phone Interviewを行うどうか会社次第ですが、近年は長引くアメリカ経済の低迷を反映して、Phone Interviewの重要性が増し、現地に赴いてOn-siteのインタビューを受けられる候補者の数は減っているように思います。
技術者によるPhone Interviewには複数の人が参加している場合もあります (例えば、部署のマネージャーとメンバー数人などのように)。
その場合、複数の人が、レジュメおよびHRのスクリーニングの情報を元に、より専門的なスキル、知識、経験について質問をしてきます。
Job postingを見れば、そのポジションが普通はどのような知識、技術、経験が要求されるか書いてありますが、実際は、それ以外にも会社側が望む技術や経験があるかもしれません。実際、私もPostingに一切書いてない技術に関して経験があるかどうか何度か聞かれたことがありますので、単純ではありませんが、少なくとも、Job Requirementsに書いてあることと自分のバックグラウンドがどのようにマッチングするか、その部署、会社に自分がどのように貢献できるかをポジティブに説明できるように準備しましょう。満たしていないRequirementsがあった場合はその対応の返事も準備しましょう。

━━━━━━━━━━━━━━━━━

カガクシャ・ネットワーク http://kagakusha.net/
発行責任者: 石井 洋平
編集責任者: 石井 洋平
━━━━━━━━━━━━━━━━━

にほんブログ村 海外生活ブログ 研究留学へ にほんブログ村 海外生活ブログ 海外留学(アメリカ・カナダ)へ にほんブログ村 海外生活ブログ 海外留学(ヨーロッパ)へ

2014年1月15日水曜日

アメリカ就職への道(2)レジュメ準備から仕事の見つけ方まで

Dec 2013, Vol. 65, No. 1

- From editors --


前回に続く就職活動記事第二回です。今回は、レジュメ準備から仕事の見つけ方までをご紹介いたします。

レジュメの準備

企業就職の準備段階でインパクトのあるレジュメを書くことがあげられます。
レジュメの書き方については経験を年代順に列挙するChronological Resumeが一般的に知られていますが、“職務経験(Professional Experience)”が不足している新卒の大学院生の場合は、アプライしようとしているポジションに対応する自分のスキルを強調するFunctional Resumeを採用してみるのも良いと思います。
レジュメ作成に関する情報はインターネット上に無数にありますが、例えば、このような記事がありました。

"How To Write Functional Resumes: Tips for Writing a Resume"

この記事の筆者がおっしゃっているようにwww.microsoft.comには様々なレジュメのサンプルやテンプレートがあり、Wordのテンプレートをダウンロードすることが出来ます。
サンプルやテンプレートを参考に自分のスキル・知識を最大限にアピールできるコンパクトにまとめられたレジュメを作りましょう。基本形のレジュメが出来たらアプライするポジションのJob/Position DescriptionやQualification/Requirementsをしっかりと読みましょう。そして、アプライするポジションに要求されている知識や技術がレジュメの中に反映されるように多少の微調整(Tweaking)をします。

-レジュメを書く際の注意としては長くなりすぎないようにするということです。

以前、16ページのレジュメをスクリーニングをしてくれるように頼まれたことがありますが、正直、読む気はしませんでした。つまり、読む前にアウトです。企業向けのレジュメはできれば1-2ページどんなに長くても3ページ以内にまとめましょう。
アカデミア向けのCVとは異なり、論文を一つ一つ列挙する必要は多くの場合はありません(論文を要求するポジションもある)。
あまり長いレジュメを書くとまとめる能力がないと見なされかねません。企業の仕事にアプライする際、レジュメの最初のスクリーニング(Initial Screening)をするのはHRと考えてよいでしょう。彼らは必ずしも科学・技術については詳しくありません。
彼らが探しているのはjob/position description Qualification/Requirementsに使われている“キーワード”とレジュメのマッチングです。

-OPT(Optional Practical Training Visa)

F1ビザを持つ学生が自分の専門の関連分野で働くことが12ヶ月許可されるビザで、自分の所属する大学を通じて申請することが出来ます。申請から取得までしばらく時間がかかる場合がありますので、前もって担当のオフィスに問い合わせ、時間に余裕を持って、仕事を始めるまでに許可が下りるように申請しましょう。
また、科学・技術系の学位を取得するF1の学生は雇い主によっては17ヶ月までの延長をアプライできるようです。
*詳しくはアメリカの移民局のホームページを参照ください。

http://www.uscis.gov/

専門職ビザとして最も一般的なH1-Bビザは年間に発行されるビザの数が65000件と決まっています。ただし、アメリカの修士号以上の学位を持つ申請者に対しては20000件までこのリミットが適用されないことになっていますので、Ph.D.を持っているとビザ取得に対して有利ではありますが、ビザを取得するまで多少の時間がかかることは予想されます。
OPTを持っていれば、オファーをもらってから (リミットはあるものの)すぐに仕事を始めることが出来ます。もちろん、H1-Bビザの申請は出来る限り早く行う必要はありますが。また、グリンカードの申請も早めに考えた方が良いでしょう。


会社研究・仕事の見つけ方

-仕事を見つける方法をいくつかあげてみたいと思います。

- ホームページ

最近はどの会社のホームページにも(これは大学や国立研究所などアカデミックな仕事にも当てはまる)必ずと言っていいほどEmployment/Job opportunity/job seekerの項目があります。興味のある仕事にアプライするにはユーザー登録をして、レジュメ、カバーレターをアップロードする必要がありますが、一度、レジュメをアップロードしておくと、後から別のポジションにも応募することができます。


- Job Search engine


最近はこの手のSearch Engineはネット上に無数にあるので、ここで一つ一つ列挙はしませんが、以下のサイトは比較的有用です。



コネクションからの紹介は採用の可能性が最も高くなります。コネクションから紹介をもらう場合、コネクションの方からアプローチしてくる場合と自分の方から紹介してもらえるようにアプローチする場合があります。

- コネクションの方からアプローチしてくる場合…

(例) 今、うちの会社で…のような人材を探しているんだけど、君、誰か思い当たる人はいないかな。

という連絡が来た場合、5割以上は連絡を受ける当人、つまりあなたターゲットにしていると言えます。実際、このような連絡は何度か受けたことがありますし、自分も友人にこのような連絡をしたことがあります。
返答として、「いや、その仕事、面白そうだね、私が興味あるよ」と言った場合、やっぱりそうか、是非、アプライしてくれないか、と話がとんとん拍子に進んでゆきます。

- 自分の方からアプローチした場合…

うまくいくかどうかはコンタクトの関係やコンタクトがオープンポジションに対してどの程度、影響力があるかなど、いくつかのファクターが影響します。
実際、私も、知り合いの人からレジュメを受け取ることがありますが、同じポジションに対して複数の知人からのアプリケーションを受け取った場合、もちろん、ポジションへの適正も考えますが、当然、よく知っていて良い関係のあるコネクションの方が人柄や能力(レジュメだけでは読み取れないことも多い)とポジションとの適性を判断しやすく、当然、推薦しやすいと言えます。


━━━━━━━━━━━━━━━━━
カガクシャ・ネットワーク http://kagakusha.net/
発行責任者: 石井 洋平
編集責任者: 石井 洋平
━━━━━━━━━━━━━━━━━

にほんブログ村 海外生活ブログ 研究留学へ にほんブログ村 海外生活ブログ 海外留学(アメリカ・カナダ)へ にほんブログ村 海外生活ブログ 海外留学(ヨーロッパ)へ

2014年1月12日日曜日

アメリカ就職への道(1) 企業で研究・技術系の仕事を見つけるための準備

Nov. 2013, Vol. 64, No. 1

- From editors --

アメリカでの就職には英語でのハンデはもちろんのこと、外国人であることによるビザの問題、レジュメ、面接など、日本とは大きく違うことがあります。今回の記事ではアメリカにおける就職活動についての記事を書いていただきました。今回はネットワーク作りまでを紹介していただきます。

これまでカガクシャネットのメールマガジンにてPh.D取得後のキャリアについていくつものエッセーが紹介されてきましたので、過去ログも参考にしていただきたいのですが(「アメリカ企業就職サバイバル」「アメリカ研究サバイバル」等)、今回のエッセーではこの就職難の時代に、アメリカで企業就職を目指す上で役に立ちそうなことをいくつかあげてみたいと思います。もちろん私も決して就職の斡旋のエキスパートではありませんので、エッセーの内容はこれまでの私の経験を元にしたもの、つまり、一つの例である、と考えていただければよいと思います。

企業で研究・技術系の仕事を見つけるための準備

-学業面

アメリカの大学院でのコースワークの内容の濃さは良く知られており、授業を取り過ぎると、研究の時間が少なくなるかも知れませんが、最初の1-2年は出来る限り幅広い知識を身につけるために、少し多めにコースワークをすることをお勧めします。また、企業就職に必須の授業も存在します。
例えば、私が在籍した工学系の大学院プログラムでは企業就職を目指す大学院生は履修することを推薦されていた“Design of Experiment”(略してDOE)という授業がありました。これは簡単に言うと統計学的見地に基づいて、複数ある実験パラメーターをコントロールする実験を設計し、最小の実験で最大の知見を得るための基本知識です。この知識は自分の研究を進める上でももちろん役に立ちますが、工学系企業研究者・技術者には必携のスキルです。DOEは一例ですが、それぞれの専門分野、業界で要求される基礎知識を教えているクラスがあるはずですから、是非、履修しましょう。将来、就職活動で大きな助けとなるはずです。

-インターンシップ

インターンシップが出来るかどうかはもちろん、教授・プログラム次第ですが、可能であるならば、大学院に在籍中、特に夏の3ヶ月間にインターンシップを経験することは将来、就職の大きな助けとなります。例えば、インターンシップ先の企業からオファーをもらう人もいますし、インターンシップが職務経験として活きてさらによい仕事を見つけられる場合もあります。
インターンシップをする場合、一時的に、Research Assistant (RA)を
辞めなといけないかもしれませんし、教授の反対があるかもしれません(研究が滞る)。
指導教官とは十分に話して理解・サポートをしてもらう必要があります。

-良いネットワークを築く

アメリカでは約6割(もっと多いと言う統計もある)の人たちがネットワークを通じて仕事を見つけているそうです。これだけ割合が高くなると、外国人である私たちはなおさらネットワークの力を無視することはできません。ネットワークを築くことは一朝一夕には出来ません。大学院入学前はもちろん入学後も出来る限り多くの人、クラスメート、同じ学科・他学科の院生、教授と知り合いましょう。
知らない人と話すのが苦手な人もいるかもしれませんが、理系大学院にやってくる人たちの多くはアジア諸国を中心とした外国人であり、一緒に勉強し切磋琢磨できる友人を探しています。少し自分のComfort Zoneの外に出てみて、知らないクラスメートに挨拶をしたり、質問をしてみると、そこから素晴らしい友人関係が生まれるかもしれません。
先日、仕事で母校の恩師の研究室を訪問した際に、研究室の大学院生15人ほどに会いましたが、後で個人的に自己紹介をしに来たのはその中の2人だけでした。
このような機会(企業で働いている卒業生と直接知り合いになる)は大きなチャンスですから、自己紹介をし、名詞の交換、あるいはレジュメの手渡しをしましょう。
私が就職活動をしていた頃、修士号を取って卒業し、半導体企業に勤めている元クラスメートが、自分の出身研究室を訪問し、その研究室の院生・ポスドク5人を一度にその会社に採用していくのを目の当たりにしました。その当時、アメリカは不景気で、就職活動で四苦八苦していた私は彼らを羨望の眼差しで見ていました。
学会を有効に使いましょう。学会にはアカデミックな研究者、大学院生だけではなく、多くの企業人もやってきます。興味のある企業の人には勇気を持って積極的に話してみましょう。実は私の今の仕事は学会+ネットワークを通じて見つけました。学会に出席した際に、同じ研究室にいたVisiting Scientistの方の紹介で企業技術者の方にお会いし、その縁でその会社に就職することになりました。ただ、その方にお会いしてから実際に就職するまで2年以上かかっており、知り合えばすぐに仕事を紹介してもらえる、という単純なものではないことを強調したいと思います。普段からネットワークを広げる努力をしていく必要があります。

-インターネットをネットワーク作りに活用する

Facebookを創設したMark Zuckerburgを描いたThe Social Networkという映画が2010年に公開されたのはまだ記憶に新しいかと思います。
Facebookはかなりプライベートなソーシャルネットワークですが、もう少し、Professional なネットワーキングに特化した

www.linkedin.com

があります。スタンダードのアカウントを作るのは無料なので、まだアカウントを作っていなければ、是非、作ることをお勧めします。
このネットワークサイトを利用すると、自分の興味のある分野で活躍する人たちの存在を知ることが出来ます。サイトのツールを利用すると会ったことがない人に対してもネットワークに入ってもらえるようにリクエストすることは出来ますが、会ったこと、話したことも無い人とのネット上のコネクションは実際にインタラクションを持ったことのあるコネクションに比べると当然、弱くなってしまいます。
私も時々、全く知らない人からリクエストが来ますし、実際にリクエストを受け入れたことも多々ありますが、やはり実際に知っている人とのコネクションとは比べ物になりません。また、知らない人のリクエストを受け入れてネットワークでつながった直後に仕事を紹介してくれ、と言われたことが何度もありますが、一応、レジュメはHRに転送しておくとは言いますが、正直、このような人には仕事は紹介しませんし、推薦もしません。
直接あったことがある人とのコネクションは別とし、大学院生の限られた機会の中で、ネットワークを広げるために出来ることとして、例えば、LinkedInならば、様々な専門分野のネットワークグループがあるので、そのネットワークグループでのディスカッションに積極的に参加することは、ネットワークを広げる上でプラスになりえます。もちろん、発言内容によってはマイナスにもなりえますので、注意が必要です。

-良いネットワークとは

プロフェッショナルな意味での“良い関係”と言うのはGive and takeだと私は思います。例えば、面識があまりない人に大きな頼みごとをしても、実際に頼みごとを聞いてもらえるのは難しいというのは容易に想像できるかと思います。
気のおける友人は別として、コンタクトの人に仕事を紹介してもらう、あるいは強く推薦してもらうにはその前に、彼or彼女なら推薦できると思わせる何かが必要です。すでにその人のためにあなたが何かをしてあげていたらつまり“Give”のプロセスがあったとしたらどうでしょうか。あなたなら、自分を助けてくれたことのある人とそうでない人のどちらを助けたいですか。もちろん大きなことをする必要はないですよ。

-----------------------------------------------
次回は就職活動にはかかせないレジュメの準備から紹介していただきます。
お楽しみに。

━━━━━━━━━━━━━━━━━
カガクシャ・ネットワーク http://kagakusha.net/
発行責任者: 石井 洋平
編集責任者: 石井 洋平
メールマガジンの登録と解除:
━━━━━━━━━━━━━━━━━

にほんブログ村 海外生活ブログ 研究留学へ にほんブログ村 海外生活ブログ 海外留学(アメリカ・カナダ)へ にほんブログ村 海外生活ブログ 海外留学(ヨーロッパ)へ